足場の組立等特別教育は、足場の組立・解体・変更の業務に従事するすべての労働者に義務付けられている安全講習です。2015年の労働安全衛生規則改正により、受講が義務化されました。この記事では、特別教育の概要と取得方法を紹介します。

足場の組立等特別教育とは

この特別教育の基本を紹介します。足場の組立や解体は高所作業が中心となるため、正しい知識を持たずに作業に入ると重大災害に直結しかねません。そのため、作業に関わるすべての人があらかじめ最低限の知識を共有しておくことが、制度の出発点になっています。

  • 労働安全衛生法に基づく
  • 2015年7月から義務化
  • 足場組立・解体に従事する全員
  • 未受講では作業不可
  • 学科6時間の講習
  • 試験はない(受講で修了)

試験こそありませんが、受講者は講義の内容を現場で実践することが前提となります。修了そのものがゴールではなく、覚えた知識をその日の作業にどう反映させるかを意識して受講することが大切です。

受講が必要な人

受講が必要な人を紹介します。自分は対象外だろうと自己判断してしまうと、実際には法令違反の状態で作業に入ってしまうこともあるため、迷ったら会社の安全担当者に確認するようにしましょう。

  • 足場の組立作業員
  • 足場の解体作業員
  • 足場の変更作業員
  • 足場を移動する人
  • 新規入職者
  • 過去に未受講の人

若手だけでなく、長年現場に出ているベテランでも、過去に受講していなければ新たに受講する必要があります。制度が始まる前から働いていた方にも対象が広く及んでいる点に注意しましょう。

受講内容

特別教育の受講内容を紹介します。基本的には学科のみで構成され、足場作業に関する一般的な知識を体系的に学ぶ場になっています。

科目時間
足場の種類・構造1時間
作業方法3時間
工事用設備・機械・器具30分
労働災害防止知識1時間
関係法令30分

中でも作業方法に最も時間が割かれているのは、組立手順や部材の扱いが安全の要となるためです。単語を暗記するのではなく、自分が現場で行う動作と結びつけながら聞くと記憶に残りやすくなります。

足場の組立等作業主任者との違い

作業主任者との違いを整理します。似た名前の資格が複数あるため、自分がどの立場で現場に入るのかを踏まえて選ぶことが重要です。

  • 特別教育:一般作業員向け
  • 作業主任者:指揮監督者向け
  • 特別教育は6時間
  • 作業主任者は14時間
  • 作業主任者は上位資格
  • 両方必要な場合も

将来的に現場を取り仕切る立場を目指すのであれば、特別教育を終えたあと、経験を積んでから作業主任者へとステップアップしていく流れが一般的です。両者を段階的に身につけることで、仕事の幅が広がります。

受講場所

特別教育は様々な場所で受講できます。自宅や現場の近くで受けられる場所を選ぶと、移動の負担を抑えながら計画的に受講できます。

  • 労働基準協会
  • 建設業労働災害防止協会
  • 民間の教育機関
  • 会社内での実施
  • 出張講習
  • オンライン受講も増加

最近はオンライン講習を採用する機関が増え、遠方の現場に出ていても業務の合間に受講しやすくなっています。受講方法ごとに通信環境や受講態度に関するルールがあるため、申込前に条件を確認しておきましょう。

受講費用

受講費用の目安を紹介します。自腹で支払う場合と会社負担の場合で準備の進め方が変わるので、入社や現場配属の際に確認しておくと安心です。

  • 1万円前後が一般的
  • 会社負担が多い
  • テキスト代込み
  • 複数人割引あり
  • 会社単位での申込

会社によっては新人向けに一斉受講を企画しているところもあり、同期と一緒に学ぶことで現場に出たあとの情報共有がしやすくなるという副次的なメリットも期待できます。

修了証

受講後に修了証が交付されます。修了証は自分が正規の教育を受けた証明になるため、紛失しないよう保管方法にも気を配りましょう。

  • 受講修了の証明
  • 携帯義務あり
  • 現場で提示
  • 紛失時は再交付
  • 永久有効(更新不要)
  • 転職時も有効

現場の入場ゲートで提示を求められる場面もあるため、普段から職員証や他の資格証と一緒にまとめて持ち歩くようにしておくと、急な確認にも落ち着いて対応できます。

未受講のリスク

未受講で作業するリスクを紹介します。知らずに作業してしまうケースもありますが、結果として被害を受けるのは作業員本人と周囲の仲間です。

  • 違法作業
  • 会社への罰則
  • 労災認定の問題
  • 現場入場拒否
  • 安全教育の不足

元請によっては入場前の安全書類確認を厳格に行っており、修了証を提示できないだけで現場に入れないこともあります。作業に穴を開けないためにも、未受講の状態で現場に向かうことは避けましょう。

フルハーネス特別教育との関係

関連するフルハーネス特別教育も紹介します。足場作業と高所作業は切り離せない関係にあるため、両方を組み合わせて身につけるとより安全に作業できます。

  • 2022年から義務化
  • 高所作業に必要
  • 足場作業とセットで必要
  • 別の講習
  • 両方を受講

装備の使い方は教わっただけで身につくものではないため、受講後も日々の作業のなかで点検や着用手順を繰り返し確認することが、安全習慣の定着につながります。

受講のタイミング

受講の適切なタイミングを紹介します。入社直後はやることが多くなりがちですが、安全教育は後回しにしないのが鉄則です。

  • 入社後すぐ
  • 現場配属前
  • 未受講なら早めに
  • 会社が手配
  • 新規職種転換時

他職種から足場関連の作業に回る場合にも、あらためて受講が必要になります。自分のキャリアの節目ごとに安全教育を見直しておくと、思わぬ抜け漏れを防げます。

建設業での必須度

建設業での必須度について紹介します。実際のところ、足場を使わずに進められる現場はほとんどなく、足場作業に関する知識は建設業の基礎教養のような位置づけになっています。

  • 足場のある現場は必須
  • ほぼすべての建設現場が対象
  • 基本中の基本
  • 未受講者は実質働けない
  • 優先的に受講

つまり、足場関連の特別教育を受けておくことは、どの建設会社で働くにしても汎用的に役立つ学びだと言えます。一度受講しておけば他社に移っても継続的に活用できます。

他の特別教育との併用

他の特別教育と併せて受講するケースも多いです。職種によっては複数の特別教育を重ねて身につけることで、担当できる作業の幅が一気に広がります。

  • フルハーネス特別教育
  • 小型車両系建設機械
  • 研削砥石
  • 職長教育
  • 安全教育一式

入社からある程度の期間をかけて必要な特別教育をひとつずつそろえていくと、資格の棚卸しがしやすくなります。自分の担当範囲と照らし合わせながら計画を立てるとよいでしょう。

まとめ

足場の組立等特別教育は、建設業で働く上で必須の安全講習です。1日程度の受講で修了でき、費用も比較的安価です。建設業への入職時に優先的に受講し、安全な作業の基礎を身につけましょう。

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