第一種電気工事士は、第二種より扱える工事範囲が広がる上位資格です。工場やビルなどの自家用電気工作物の工事を行えるようになるため、電気工事業界でキャリアアップを目指すなら必須級の資格です。この記事では、第一種電気工事士の試験概要、難易度、年収アップ効果を解説します。
第一種電気工事士とは
第一種電気工事士は、最大電力500kW未満の自家用電気工作物(工場・ビル・商業施設等)の電気工事を行える国家資格です。第二種電気工事士が一般住宅・小規模店舗のみの対応であるのに対し、第一種はより広範囲の電気工事に携われるのが大きな違いです。
工場やビルのような大規模施設では、単に電気を通すだけでなく、高圧受変電設備や動力系統など扱う電圧や回路の規模が大きくなります。そのため、安全に作業できる技術者として認められた証が、第一種電気工事士の免状というわけです。電気工事業界でステップアップしたい方にとっては、キャリアの節目となる資格だと言えるでしょう。
第二種との業務範囲の違い
両資格の業務範囲の違いを表にまとめました。
| 項目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 対象電気工作物 | 一般用電気工作物(600V以下) | 自家用電気工作物(500kW未満)+一般用 |
| 主な現場 | 住宅・小規模店舗 | ビル・工場・商業施設 |
| 工事規模 | 小〜中 | 中〜大 |
| 年収レンジ | 350〜500万円 | 450〜700万円 |
両者の違いは単なる「工事範囲の広さ」だけでなく、任される現場の規模やチームの役割にも及びます。第一種を持っていると、大型物件の責任者クラスに抜擢される機会が増えたり、元請会社から指名されやすくなるといった恩恵も期待できます。
試験の概要
第一種電気工事士試験は、第二種と同様に学科試験と技能試験の2段階です。
- 受験資格:学歴・年齢不問(誰でも受験可)
- 試験回数:年1回
- 学科試験:四肢択一、50問
- 技能試験:候補問題10題から1題出題、60分
- 免状交付の要件:実務経験3年以上(一部2年)が必要
受験資格に制限がないため、学生時代から挑戦する方もいれば、別業種から転職して取得を目指す方もいます。試験自体は誰でも受験できますが、免状交付には実務経験が必要になる点は注意しておきましょう。
試験の難易度と合格率
一般財団法人電気技術者試験センターの公表データによれば、第一種電気工事士の合格率は以下のように推移しています。
- 学科試験:概ね40〜55%
- 技能試験:概ね60〜65%
- 最終的な資格取得率:30〜40%前後
第二種と比べると難易度は上がりますが、しっかり対策すれば十分合格可能なレベルです。
合格率だけを見ると決して狭き門とは言えませんが、働きながら学習時間を確保することが最大の壁になります。毎日の仕事で疲れていても、机に向かう習慣を継続できるかどうかで結果が大きく変わる試験です。
免状交付に必要な実務経験
第一種電気工事士は試験に合格しても、すぐに免状が交付されるわけではありません。以下の実務経験が必要です。
- 電気工事の実務経験3年以上
- 大学・高専の電気科卒業者は2年以上
- 経験年数は試験合格前後を通算可能
このため、第二種を取得して数年実務経験を積んだ後に第一種を取得するのが一般的なルートです。
実務経験は合格前の期間も通算できるため、早めに電気工事の現場に身を置いて経験を積んでおくと、試験合格と同時に免状交付の条件を満たせる可能性があります。自分がどの時点で免状を手にできるのか、逆算して計画を立てておきましょう。
年収アップ効果
第一種を取得すると、年収面でも大きな変化が期待できます。
- 資格手当:月額1〜3万円(会社による)
- 基本給の上昇:昇進・昇給対象に
- 扱える工事範囲が広がり単価も上昇
- 転職市場での評価が向上
第二種から第一種に昇格することで、年収が100〜150万円程度アップするケースも珍しくありません。
資格手当や基本給の上昇だけでなく、任される案件の幅が広がることで結果的に会社からの評価と収入が連動して伸びていく傾向があります。長期的に見れば、取得にかけた時間と費用以上のリターンが得られる資格と言えるでしょう。
勉強法のポイント
第一種電気工事士合格に向けた勉強のポイントを紹介します。
- 学科試験:過去問題集を5〜7年分、最低2周
- 計算問題対策:基本公式の暗記と演習
- 技能試験:候補問題10題をすべて実際に施工練習
- 独学が不安なら:通信講座や技能試験対策講座の活用
技能試験は実際に配線作業を行うため、頭での理解だけでなく、手を動かす練習が欠かせません。候補問題を何度も繰り返し練習し、制限時間内に仕上げられるスピードを身につけることが合格への近道になります。
まとめ
第一種電気工事士は、電気工事業界でキャリアと年収を大きく伸ばせる国家資格です。第二種で経験を積み、実務経験3年後に第一種にチャレンジするのが王道ルート。会社の資格取得支援制度を活用すれば、自己負担を抑えつつ効率的に取得できます。
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