建設現場では、飛散物・粉じん・紫外線など、目を傷つける要因が多数存在します。「たかが目」と軽視せず、適切な保護メガネを正しく使うことで、重大な目の事故を防げます。この記事では、建設現場での目の保護の重要性と、保護メガネの選び方を解説します。

建設現場で起こる目の事故

建設現場で発生する目の事故には、以下のようなものがあります。

  • 飛散物(鉄片・コンクリート片・木くず)
  • 粉じん・砂塵の飛入
  • 溶接の強い光による眼障害
  • 化学物質(塗料・セメント水)の飛沫
  • 紫外線の長期曝露
  • 高圧洗浄の水しぶき

これらの事故は、一度発生すると視力の低下や失明といった深刻な後遺症につながる可能性があります。現場を歩いていると、鉄筋を切断する工程や、グラインダーで金属を削る工程、コンクリートをはつる工程など、細かな破片が勢いよく飛び散る場面に遭遇する機会が少なくありません。自分が直接作業していなくても、隣の班の作業から思わぬ形で破片が飛んでくることもあります。

特に夏場の屋外現場では、強い日差しにさらされる時間が長くなりがちで、気づかないうちに目の疲労がたまっていきます。疲労した状態では視認性が落ち、普段なら避けられる危険を見落としやすくなるため、日々の体調管理も間接的な目の保護につながります。

保護メガネの種類

用途に応じた保護メガネの種類を表にまとめました。

種類用途
ゴーグル型粉じん・薬品対策
オーバーグラス型度付きメガネの上から
フィット型顔に密着する作業用
溶接用保護メガネアーク光・赤外線の遮断
紫外線カット型屋外作業の長時間使用

作業内容によって適した形状は異なります。解体やはつり作業のように粉じんが大量に舞う場面ではゴーグル型が適しており、屋外の高所作業や外装仕上げでは軽量でずれにくいフィット型のほうが動きやすいと感じる方が多い傾向があります。自分の作業に合うタイプを複数用意しておき、その日の工程に応じて使い分ける意識が大切です。

法令上の使用義務

労働安全衛生規則では、以下のような作業で保護メガネの使用が義務付けられています。

  1. 研削盤による研削作業
  2. グラインダーによる切断作業
  3. コンクリートの斫り(はつり)作業
  4. アーク溶接・ガス溶接作業
  5. 粉じんの発生する作業
  6. 薬品を扱う作業

これらは最低限のラインであり、実際の現場では義務対象でない作業でも自主的に保護メガネを着用することが推奨されます。作業前のKY活動(危険予知)の際に、目への危険が潜んでいないかを声に出して確認し合うことで、チーム全体の意識を高められます。

選び方のポイント

自分に合った保護メガネを選ぶポイントを紹介します。

  • JIS規格適合品を選ぶ
  • フィット感:隙間がないこと
  • 視界の広さ:作業中の視認性
  • 曇り止め加工:長時間の快適さ
  • 紫外線カット:屋外作業の場合
  • 耐衝撃性:飛来物への対応

価格だけで選ぶと、かけ心地が悪く途中で外してしまうといった本末転倒な事態を招くことがあります。購入前に試着できる販売店で顔にあててみて、鼻あてや耳にかかる部分の当たりを確認するのがおすすめです。長時間の着用が前提となるため、重さや通気性も重要な選定基準になります。

度付きメガネとの併用

普段から度付きメガネを使用している方は、以下の選択肢があります。

  • オーバーグラス型の保護メガネ
  • 度付き保護メガネの特注
  • 保護用コンタクトレンズの併用
  • ゴーグル型で上からかぶせる

度付きの保護メガネをオーダーすれば、ずれや曇りを気にせず作業に集中でき、仕事の効率も上がります。費用はかかりますが、自分の目を守るための投資と考えれば決して高すぎる買い物ではありません。会社によっては購入費を一部補助してくれるところもあるため、担当者に相談してみるとよいでしょう。

メンテナンスと交換時期

保護メガネを長持ちさせ、性能を保つためのポイントです。

  • 使用後は中性洗剤で洗浄
  • 柔らかい布で拭く
  • 傷が付いたら交換
  • レンズの曇り止め再処理
  • 紛失時の予備を常備

汚れたレンズをティッシュや作業着の袖で拭くと、細かな傷が付き視界が悪くなります。専用のクリーナーとクロスをロッカーに常備しておき、朝と昼休みの前に軽く手入れをする習慣を付けると、常にクリアな視界を保てます。傷や変形が進んだメガネは、本人が気づかないうちに保護性能が落ちていることがあるので、定期的に買い替える意識も必要です。

目を守る意識

「少しくらい大丈夫」という気の緩みが、一生続く目の障害につながることがあります。失った視力は元に戻らないため、面倒でも必ず保護メガネを着用する習慣をつけましょう。

ベテランの職人ほど、過去に目をヒヤリとさせた経験を持つものです。そうした先輩の体験談を聞く機会があれば、若手のうちに耳を傾けておくと、自分自身の行動を見直すきっかけになります。安全は習慣で作られるものであり、毎日の小さな積み重ねが大きな違いを生みます。

まとめ

建設現場の目の保護は、命と同じくらい大切な安全対策です。JIS規格適合品の保護メガネを作業に応じて選び、正しく使用することで、深刻な目の事故を防げます。自分の視力を守るのは自分自身であることを忘れないでください。

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