SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みは、建設業界でも広がっています。脱炭素・社会貢献・働き方改革など、SDGsは建設業の多くの活動と関連します。この記事では、建設業のSDGs取組み事例を紹介します。
建設業は街や暮らしの基盤を作る産業であるため、その活動が地域社会や環境に与える影響は大きく、SDGsとの親和性が特に高い分野です。単に環境配慮という側面だけでなく、働く人の安全やダイバーシティ、地域貢献など、幅広いテーマに業務を通じて関わることができる点が特徴です。
SDGsとは
SDGsの基本概念を紹介します。
- 2015年に国連で採択
- 持続可能な開発目標
- 17の目標・169のターゲット
- 2030年までの目標
- 企業活動にも深く関連
- 世界共通の目標
国家や国際機関だけでなく、企業や個人にも行動が求められているのが特徴です。仕事を通じて少しずつ社会に貢献するという考え方が根底にあり、建設業で働く一人ひとりの日々の選択がSDGsの前進につながる可能性を持っています。
建設業が関わるSDGs目標
建設業が特に関わる主なSDGs目標を紹介します。
| 目標 | 建設業との関連 |
|---|---|
| 目標7:エネルギー | ZEB・ZEH |
| 目標8:働きがい | 働き方改革 |
| 目標9:産業基盤 | インフラ整備 |
| 目標11:まちづくり | 持続可能な都市 |
| 目標12:責任ある生産 | 廃棄物削減 |
| 目標13:気候変動 | CO2削減 |
一つの目標だけに注力するのではなく、複数の目標を同時に意識した取り組みが広がっています。現場の効率化を進めることが働き方改革につながり、同時にエネルギー削減にも寄与するというように、相互に関連しあっているのが特徴です。
脱炭素への取組み
脱炭素はSDGs取組みの中心です。
- ZEB・ZEHの推進
- 低炭素建材の採用
- 再生可能エネルギー導入
- 重機の電動化
- 省エネ施工
- CO2削減目標の設定
電動の重機や低炭素型の建材は、まだ一般化の途上ですが、実験的な現場から徐々に導入が広がっています。施工方法の工夫一つでもエネルギー使用量を下げられるため、現場レベルでの創意工夫が脱炭素に貢献する場面は少なくありません。
循環型社会への貢献
循環型社会への貢献事例です。
- 建設廃棄物の削減
- リサイクル材の活用
- 建設廃木材のバイオマス利用
- コンクリート廃材の再利用
- 既存建物の長寿命化
- リノベーションの推進
スクラップアンドビルドからストック活用へ、という大きな流れがあります。既存建物を長く使う発想は、環境負荷の低減とコスト合理性を両立させる方向性として注目されており、リノベーション市場も着実に広がりを見せています。
働き方改革とSDGs
働き方改革もSDGsと深く関連します。
- 週休二日制の推進
- 長時間労働の是正
- 安全衛生の向上
- ダイバーシティ推進
- 女性活躍
- 外国人労働者の適正処遇
働く人が健康で誇りを持てる環境を整えることは、SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」そのものです。建設業界の魅力を高めて若い世代の参入を促すうえでも、働き方の改善は避けて通れないテーマになっています。
ダイバーシティの推進
ダイバーシティ推進の取組みを紹介します。
- 女性技術者の増加
- 外国人労働者の受入
- 高齢者の活躍
- 障がい者雇用
- LGBTQへの理解
- 多様性のある現場
多様な背景を持つ人が一緒に働くことで、これまで気付かれなかった現場の課題や改善点が見つかるケースも多く報告されています。お互いの違いを尊重する文化は、安全面でもプラスの効果を生み、事故防止や働きやすさに結び付いていきます。
地域貢献活動
地域貢献活動もSDGs取組みです。
- 地元雇用の促進
- 地元資材の活用
- 清掃活動
- 災害時の協力
- 地域イベントへの参加
- 学校との連携
地域に根ざす建設会社は、災害が起きたときに真っ先に駆けつけて道路の復旧や仮設住宅の建設に携わる重要な存在です。日頃から地域との信頼関係を築いておくことで、いざというときの対応力にもつながる傾向があります。
グリーンインフラ
グリーンインフラの取組みを紹介します。
- 自然を活用したインフラ
- 雨水浸透施設
- 生物多様性への配慮
- 緑化の推進
- 雨庭(レインガーデン)
- 自然災害への対応
コンクリートで固めるだけではなく、自然の力を借りて治水や環境保全を進める発想が広がっています。景観の魅力を高めると同時に、地域の生態系を守る役割も果たしており、今後の需要拡大が期待される分野です。
SDGs経営
SDGsを経営に組み込む事例です。
- SDGs宣言の公表
- KPIの設定
- 報告書での開示
- 社員教育
- 社外への発信
- 取引先との連携
掛け声だけで終わらせないためには、具体的な目標と進捗管理が欠かせません。年次報告書で取り組みを公開する会社も増えており、社外のステークホルダーからの信頼を得る有効な手段となっています。
ESG投資との関連
ESG投資とSDGsの関連も紹介します。
- 環境(Environment)
- 社会(Social)
- ガバナンス(Governance)
- 投資家からの評価
- 資金調達への影響
- 企業価値の向上
金融市場でもESG評価が重視されるようになり、建設会社にとっても財務以外の情報開示が重要性を増しています。長期的に見れば、社会的責任を果たす企業ほど安定した資金調達が可能になる傾向があります。
社員の意識改革
SDGsは社員の意識改革にも影響します。
- 自分の仕事と社会貢献
- 誇りを持って働く
- 若い世代の関心
- 離職率の低下
- 採用への好影響
自分の手掛ける工事が、誰のどんな暮らしに役立っているのかを意識できるようになると、日々の仕事に対する姿勢が変わります。若い世代ほど仕事の社会的意義を重視する傾向があり、SDGsの取り組みは採用面でも魅力を発揮します。
取組みの課題
SDGs取組みの課題です。
- 中小企業の対応力
- コストとのバランス
- 効果の測定
- 継続性
- 形骸化の防止
理念が先行して実効性が伴わなければ、SDGsウォッシュという批判を受けかねません。大切なのは、無理のない範囲から少しずつ実践を積み重ね、その成果を地道に可視化していくことです。継続があってこそ、取り組みの本当の価値が生まれます。
まとめ
SDGsへの取組みは、建設業界の新しい責任と機会を示しています。脱炭素・働き方改革・地域貢献など、様々な形で建設業はSDGsに貢献できます。自分の仕事が社会に与える影響を意識しながら、誇りを持って働くきっかけにもなります。
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